流星たちの宴 / 白川 道

新潮文庫 857円(税別)

昨年“天国への階段”でブレイクした、白川道(とおる)のデビュー作。
時 あたかもバブル期。投資顧問会社‘兜研’を舞台に、株(あるいは金)に取り憑かれた男たちの物語。
まず、登場人物がユニーク。主人公の梨田をはじめ、兜研社長の見崎・暴力団組長の加地見・相場師の種田・弁護士の野原
みな ひとくせもふたくせもある男たち。

次に、展開がスピーディーでスリリングしかもテンポがいい。
株や相場に詳しくない読者をもぐいぐい引きずり込んでいく迫力がある。
登場人物のつながりが、ちょっと安易すぎるという部分は多々あるけれど、 それを差し引いても、681ページ一気に読めます。
1ページあたり、1.25円!超お買い得!なエンターテインメント小説です。

で、なぜこのコーナーにこの作品が登場するかといえば、朝秀という建築設計士が脇役として登場しているから。
濃い共演者ばかりで、けっこう影うすいんだけれど。
彼 朝秀は、大学院をでた後某有名建築家のもとで修行、すぐ独立。
現在は大手企業・官庁のビッグプロジェクトを手がけ、東京・西麻布に一軒家の事務所をかまえている43歳。
と、まるでトレンディードラマに出てくるような設定。
でもなかなかのせりふをはくんだ。
“建築設計の仕事というのはね、基本的にはなにもないところから出発するんだ。
中略
あくまでその白紙を埋める空想力、企画力のことをいっているんだ。つまり、建築設計の仕事というのは、君が気障といったその言葉をかりていえば、どれだけ夢を考えられるかということでもあるんだ。”

どうっ、これって実感だよね。設計の本質を表しているとおもうよ。
そう感じたあなた、めくるめく白川ワールドに突入してみよう!

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